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妊娠中のつわり&よくあるトラブル~原因と対処法~妊娠・出産について

取材:2016年3月(2018年3月一部更新)

著者インタビュー画像 妊娠中は、おなかが大きくなるなどの外見上の変化に加えて、からだの中でもさまざまな変化が起こっています。ホルモンバランスの変化や血液量の増加などがその代表的なものですが、これらの生理的な変化によって、不快な症状が出ることも。 妊娠初期・中期・後期にそれぞれどんな症状が現れやすいのか、その原因と働く妊婦さんがうまく乗り切るための対処法を、かかりつけ医の竹内正人先生にお聞きしました。
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妊娠初期に現れる不快な症状「つわり」

著者インタビュー画像 つわりは、個人差はありますがおおむね妊娠4~6週くらいから始まり、12週頃から徐々に軽くなっていく、吐き気や、むかつきなどの症状です。原因ははっきりとわかっていませんが、同時期に分泌が増えるhCGというホルモンと関係があるのではないか、という説が有力です。
つわりは妊娠中の女性の約50~80%が経験しますが、その重さには個人差があります。食欲がなくなり食べられなくなるのは、多くの人に起こる症状ですが、この時期、おなかの赤ちゃんは栄養をあまり必要としないので、心配しなくても大丈夫。ただし脱水には注意を!水分さえ受け付けず、嘔吐を繰り返すようであれば、病院での治療が必要です。水分がとれず体重も5kgくらい減るような場合は、かかりつけ医に相談してみましょう。

つわりがある時期の無理は禁物

著者インタビュー画像 体調が非常に不安定になるつわりの時期は、仕事は休み休み行いましょう。つわりがあっても、妊娠したことを上司や同僚に伝えないままでいるケースがよくありますが、産科医としては、早めに伝えてオープンにすることが望ましいと考えます。周囲に知られることによって、一緒に働く仲間から体調に関して気遣いをしてもらえるメリットは大きいものです。
また、つわりの時期に「満員電車での通勤がつらい」場合は、時差出勤などを利用して無理のないように。勤務先に制度がなくても、かかりつけ医又は助産師からの指導を前提に、会社には「勤務時間の変更(時差通勤・勤務時間の短縮等)」の措置を講じる義務がありますので、上司に遠慮なく相談をしましょう。(男女雇用機会均等法第12条第13条1項2項参照)

多くの妊婦さんが経験するおなかの張り

著者インタビュー画像 おなかの張りは、妊娠中によくみられる症状の一つです。子宮のあたりが硬くなっている状態で、軽い生理痛のような痛みを感じる人もいます。妊娠中期~後期に多いのですが、妊娠初期にも、子宮が徐々に大きくなることで感じる場合があります。
おなかの中で引きつれた感じがする場合は、子宮周辺の靭帯が引き伸ばされて起こる「円靭帯痛」かもしれません。横になったり、仕事中であれば静かに座ったりしておさまれば、あまり心配はいりません。強い張りと共に痛みを感じたり、出血が見られるようならば、流産の兆候である可能性があるため、早めに病院に行って診察を受けるべきでしょう。

気を付けておきたい危険なおなかの張り

著者インタビュー画像 妊娠15週以降には、おなかの張りをはっきり自覚する人が増えます。子宮は平滑筋という筋肉でできているため、ゆるんだり収縮したりするのは当たり前のこと。動きすぎや疲労、緊張、ストレスを感じたときに張るという人が多いようですが、あまり神経質になる必要はなく、休息をとることでおさまります。
しかし、中には気を付けた方が良い張りもあります。張りが周期的に訪れ、徐々に強くなる場合には、早産の可能性も。また、出血がみられる場合も同様に早産の可能性があるので注意しましょう。
そのほかにも、おなかが板のように硬くなり、激しい痛みがあるような場合には、すぐに診察を受けることが必要です。

3大トラブル「便秘・腰痛・こむら返り」

著者インタビュー画像 妊娠中期以降では、そのほかにも不快な症状が現れます。多くの人が最も気にするのは、おそらく「便秘」でしょう。便秘を回避するためには、
・勤務中もなるべくカフェインレスの飲み物で水分をこまめにとる
・ランチでは食物繊維が豊富なメニューを選ぶ
・フルーツも積極的にとる
など、普段から工夫を心がけることが大切になります。ひどいときは、かかりつけ医に妊娠中でも服用OKの便秘薬を出してもらうことができます。
おなかが大きくなると「腰痛」に悩まされることも。湿布薬は使えないので、妊娠中の完治は難しいのですが、
・反り腰などの姿勢に気を付ける
・適度にからだを動かしたりストレッチをする
・腹帯やガードルで支える
といった方法を試してみましょう。
ふくらはぎなどが突然痙攣する「こむら返り」も、多くみられる症状です。カルシウムをとったり、寝る前のマッサージを試してみるとよいでしょう。ひどい場合は妊娠中でも服用できる漢方薬を処方してもらうこともできます。

症状やトラブルの程度はあくまでも個人差があるもの

著者インタビュー画像4 ここまでで紹介したトラブルは、ハードに働いている妊婦さんほど起こりやすいのか、というと、必ずしもそうではありません。妊娠中の体調は個人差が大きく、働くことが困難になるほど悪化する人もいれば、何のトラブルもなく働き続けられる人もいます。 大切なのは、先に妊娠した職場の先輩など、他人と比べないこと。同じような仕事内容でも、できる人とできない人がいます。もし思うようにできなくても、劣等感を感じる必要はないのです。自分自身のからだとおなかの赤ちゃんに向き合うことが大切です。
働いているとつい仕事を優先しがちですが、忙しいからと妊婦健診を後回しにせず、定められたスケジュールできちんと受診することは、深刻なトラブルを未然に防ぐことに大いに役立ちます。おかしいな、と思うことは早めにかかりつけ医に相談して不安を解消し、無理のない働き方を心がけましょう。

※記事内容およびプロフィールは取材当時のものです。

著者プロフィール

産科医

竹内 正人

日本産科婦人科学会専門医。2006年より東峯婦人クリニック勤務(東京都江東区・副院長)。より優しい「生まれる」「生きる」をめざし、地域・国・医療の枠をこえて、さまざまな取り組みを展開する行動派産科医。マタニティー&ママのための鍼灸アロママッサージ院「天使のたまご」顧問。
著書・監修『はじめての妊娠&出産~おなかの中を可視化する!』『はじめてママ・パパになる!Happy妊娠・出産オールガイド』『はじめての妊娠・出産 安心マタニティブック』など。
「カムバ!」では妊娠週に応じた赤ちゃんの様子、アドバイスのページも監修。

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