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何を基準に決めるべき?安心して出産するための産院選び妊娠・出産について

妊娠がわかるとまず最初に直面するのが、産院選び。「どこで出産するか」を決めるためには、何に気をつけるとよいのでしょうか?設備の整った大きな病院、アットホームな雰囲気のクリニック、家庭的な助産院、それぞれどのように違うのか、産科医の竹内正人先生に詳しくお聞きしました。自分に合った産院を選ぶためにお役立てください。
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近隣の施設をリストアップすることから始めて
著者インタビュー画像 まずは自宅の近隣で、出産が可能な施設をリストアップしましょう。産婦人科であっても分娩を取り扱わないところもあるので、検討時にはしっかり確認しましょう。陣痛が始まったときや緊急の場合を考えて、だいたい、自宅から車で30分以内に到着するところが望ましいと思います。
いくつか候補に入れていくなかで、出産できる施設には、さまざまなカテゴリーのものがあることに気づくでしょう。大きく分けると、以下の4つに分けられます。
・個人クリニック
・産科専門病院
・総合病院・大学病院
・助産院
厚労省の2010年の統計では、総合病院や大学病院および産科専門病院が51.8%、個人クリニックなどの診療所が47.1%、助産院などが0.9%、その他 0.2%となっていました。これらの病院は、それぞれ特徴がありますので、詳しく説明します。
個人クリニック:かかりつけ医として同じ医師が担当
著者インタビュー画像 まず、多くの人にとってなじみのあるのが、個人クリニックでしょう。産婦人科医が個人で開業しています。
メリットとしては、複数の産科医がいても指名制を採用しているところも多く、健診はいつも同じ先生に診てもらえる可能性が高いといえます。
各クリニックでさまざまな個性があり、出産方法も、通常の分娩台での出産だけでなく、フリースタイル分娩(妊婦が好きな姿勢をとれる)を取り入れていたり、畳の分娩室があるところも。入院中の食事が豪華である、妊娠中の運動のクラスが充実しているなど、サービスに力を入れているところもあります。入院ベッドは20床未満で、アットホームな雰囲気が魅力です。
デメリットとしては、健診に通っている間に、妊婦さんに何か合併症が見つかったり、赤ちゃんの状態に心配なことが出てきた場合、総合病院やNICUが完備されている病院に紹介され、転院となることがあります。
産科専門病院:大型の産院施設でスタッフや設備が充実
著者インタビュー画像 産科専門病院は、産婦人科と小児科(新生児科)も併設された入院ベッド数も20床以上と多い、大きめの病院です。
メリットは、妊娠・出産専門の医師や経験豊富な助産師がサポートしてくれるため、安心してお産にのぞむことができることです。
院内助産に力を入れているところもあり、必要な緊急時にだけ医療のサポートを受けられる体制に守られながら、助産院のように自分の力で自然に出産するスタイルにも注目が集まっています。早産などの理由で赤ちゃんが小さく生まれた場合や障がいが見つかった場合に対応できるNICU併設のところもあります。
デメリットとしては、基本的に産婦人科のみなので、他の科の深刻な合併症に対応できないことが時々あります。
総合病院・大学病院:各科と連携しハイリスクにも対応
著者インタビュー画像 総合病院や大学病院は、産婦人科のほかに、内科、循環器科、脳神経科などといった各診療科があります。メリットとしては、各科があるため、糖尿病や高血圧といった合併症などを抱えている妊婦さんをはじめ、さまざまなリスクの高い出産にも対応が可能です。赤ちゃんに問題があった場合に治療ができるNICUを備えたところも多くあり、安心です。
デメリットとしては病院にもよりますが、分娩方法に選択肢がない、立ち会い出産を認めていない、など、希望が通らないこともありますし、多くの病院では、診察までの待ち時間が長い傾向にあります。
また、診察・分娩ともに医学生や研修医が立ち会うこともあります。妊婦さん自身と赤ちゃんの健康状態に問題がなければ、こうした大病院で出産するメリットはあまりないかもしれません。
助産院:助産師のサポートで家庭的なお産ができる
著者インタビュー画像 助産師さんが個人で開業しているのが、助産院です。
メリットは、病院に比べるととても家庭的な雰囲気で、陣痛促進剤の使用などの医療を介在させず、自分に備わっている力で産むのを助産師さんがサポートしてくれます。妊婦さんが望む形での出産を応援し、例えば、パートナーや上のお子さん、親御さんに立ち会ってもらいながらの出産もできることが多いようです。助産師は母乳ケアの専門家でもあるため、産後の授乳指導も、きめ細かく行ってもらえます。
デメリットとしては、助産師は医療行為を行うことはできないため、扱えるのは経過に異常のない正常なお産のみです。帝王切開やふたご、逆子などの出産も取り扱いません。分娩時の会陰裂傷を回避するための切開もありません。
リスクレベルに応じた選び方をする
著者インタビュー画像 施設ごとの特徴を解説しましたが、基本的には、自分自身のリスクレベルに応じた産院を選ぶことになります。健康状態に問題なく、経過に異常もなければ、これらのどの施設でも候補にできます。何か健康の問題を抱えていれば、助産院は候補に入れることができません。
自分のリスクレベルがわからなければ、まず妊娠を確認してもらったクリニックのドクターに聞いてみればアドバイスが得られるでしょう。
また、自分のリスクレベルに合った産院で、いくつか候補がある場合は、それらの病院が方針として打ち出している出産方法(ソフロロジー法、無痛分娩、フリースタイル出産など)を調べ、魅力を感じるところにする、という選び方もあります。
健診と出産をする施設を別にするという方法も
著者インタビュー画像 働く妊婦さんにとっては、健診の待ち時間や通う時間を節約したい、という気持ちもあるでしょう。健診に通って自分自身の妊娠経過を把握してくれている産院で出産する、というのはベストな形かもしれません。しかし、通うのに多大な労力がいるのであれば、健診と出産の施設を分ける、という方法もあります。健診は、職場の近くのクリニックに通い、分娩は別のところで、というわけです。里帰り出産と似ています。その場合、産みたい病院に、どのようなスケジュールで転院すればいいか、時期や手続きについて確認しておくとよいでしょう。里帰り出産についても同様です。
医師も人間ですから、「転院が必要ですが、先生にはこれまでしっかり診ていただいてとても心強かった」などきちんと伝えれば、悪い気はしません。これまでの経過をまとめた紹介状を作成してくれ、気持ちよく送り出してくれるでしょう。

著者プロフィール

産科医

竹内正人

日本産科婦人科学会専門医。2006年より東峯婦人クリニック勤務(東京都江東区・副院長)。より優しい「生まれる」「生きる」をめざし、地域・国・医療の枠をこえて、さまざまな取り組みを展開する行動派産科医。マタニティー&ママのための鍼灸アロママッサージ院「天使のたまご」顧問。
著書・監修『はじめての妊娠&出産~おなかの中を可視化する!』『はじめてママ・パパになる!Happy妊娠・出産オールガイド』『はじめての妊娠・出産 安心マタニティブック』など。
「カムバ!」では妊娠週に応じた赤ちゃんの様子、アドバイスのページも監修。

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